SUS304とSUS403の強度比較!実際の性能とは

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大阪守口市にあるフィリール株式会社は、ステンレスのフライス加工に特化した金属加工会社です。

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目次

1. SUS304とSUS403の基本情報

1-1. SUS304とは

SUS304は代表的なオーステナイト系ステンレス鋼で、18%のクロムと8%のニッケルを主成分とし、高い耐食性と優れた耐熱性を持ちます。非磁性であり、食品加工や化学プラント、医療機器など幅広い分野で使用されるステンレスの標準的な材料です。

1-2. SUS403とは

SUS403はマルテンサイト系ステンレス鋼に分類され、約12~14%のクロムを含み、炭素含有量がやや高いのが特徴です。耐摩耗性と強度に優れ、磁性を持つため刃物や工具、機械部品など強度と硬度が求められる用途に適しています。

1-3. SUS304とSUS403の種類の違い

SUS304は耐食性を重視したオーステナイト系であり、主に耐腐食環境に適しています。一方、SUS403は強度や硬度を優先したマルテンサイト系で、耐食性はSUS304ほど高くありませんが、機械的強度や耐摩耗性に優れています。このため、用途や環境に応じて使い分けが行われます。


2. 強度に関する比較

2-1. 機械的性質の違い

SUS304は引張強度が約520~720MPaで、延性に富み変形しやすいのが特徴です。対してSUS403は引張強度が約600~900MPaと高く、硬度も高いため、より耐久性の高い部品製作に向いています。

2-2. 引張強度と硬度

SUS304の硬度はHV150~200程度であるのに対し、SUS403はHV200~300程度と高めです。硬度が高い分、摩耗に強く、切削時には刃物の摩耗も進みやすいという特性があります。

2-3. 耐久性の評価

耐久性ではSUS403のほうが優れており、高負荷や衝撃を受ける部品に適しています。ただし耐食性ではSUS304の方が優れているため、腐食環境下ではSUS304が選択されやすいです。


3. 加工性と切削性の違い

3-1. 切削加工の技術

SUS304は比較的加工性が良く、切削工具の摩耗が少ないため扱いやすい素材です。SUS403は硬度が高く、加工硬化が起こりやすいため、切削時の工具の選定や加工条件の最適化が重要になります。

3-2. フライス加工の評価

フライス加工においてもSUS304は切削抵抗が低いため加工しやすいですが、SUS403は高硬度のため切削条件を厳密に管理しないと工具の摩耗や欠損が生じやすいです。送り速度や切削速度の調整、適切な切削油の使用が求められます。

4. 腐食性と環境適応

4-1. 錆びにくさの比較

SUS304は高いクロムとニッケル含有により、優れた耐食性を誇ります。特に湿潤環境や酸性、アルカリ性の環境下でも錆びにくい特徴があります。一方、SUS403はクロム含有量が少し低く、ニッケルがほとんど含まれないため、SUS304ほどの耐食性はありません。湿気や塩分の多い環境では錆が発生しやすいことから、耐食性が求められる場合はSUS304が推奨されます。

4-2. 使用環境による選択基準

食品加工や医療、化学薬品に接する装置には耐食性の高いSUS304が多く用いられます。対して、機械部品や刃物、自動車部品など、耐摩耗性や機械的強度を優先する環境ではSUS403が選ばれやすいです。腐食環境での長期耐久性を考慮した選定が重要です。


5. 安全性と耐熱性

5-1. 熱処理の役割

SUS403は熱処理(焼入れ・焼戻し)により硬度や強度を大幅に向上させることが可能で、これにより耐摩耗性や耐久性を高めます。SUS304は基本的に熱処理を行わず、冷間加工や成形での強度調整が中心となります。

5-2. 高温環境での性能

SUS304は耐熱性に優れ、最大使用温度は約870℃まで対応可能です。これに対しSUS403は高温環境に対する耐性がやや劣り、使用温度の上限は約600℃程度です。高温環境での使用にはSUS304が適していると言えます。


6. 用途別の特性

6-1. 一般的な利用分野

SUS304は耐食性を活かして、食品加工機械、厨房機器、化学プラントの配管などに広く使われています。一方、SUS403は刃物、バルブ、軸受け、自動車部品、工具など、強度と耐摩耗性が求められる用途に多く利用されます。

6-2. 自動車部品における適用

自動車部品では、エンジン部品や排気系部品にSUS403が使われることが多く、高い強度と耐摩耗性を発揮します。対してSUS304は車体部品や耐食性が重視される外装部品に適しています。用途ごとの性能要件を踏まえた適材適所の選択が求められます。

7. 物理的および化学的特性

7-1. 主成分の理解

SUS304は約18%のクロムと8%のニッケルを含むオーステナイト系ステンレス鋼であり、耐食性と靭性に優れています。一方、SUS403は12〜14%のクロムを含むマルテンサイト系ステンレスで、ニッケル含有量はほとんどありません。これにより、SUS403は硬度と耐摩耗性に優れ、機械的強度が高い反面、耐食性はSUS304より劣ります。

7-2. 耐摩耗性と弾性

SUS403は硬度が高いため摩耗に強く、刃物や工具など耐摩耗性が重要な用途に適しています。SUS304は弾性に優れ、曲げ加工や成形加工に向いています。両者の物理的特性は使用目的に応じて適切に選定する必要があります。


8. コストと経済性

8-1. 価格の比較

一般的に、SUS304はニッケル含有量が高いため原材料コストがやや高めです。一方で、SUS403はニッケルをほとんど含まず比較的安価で調達可能です。大量生産やコスト重視の用途にはSUS403が適していますが、耐食性や仕上がりの美観が重要な用途ではSUS304の価値が高まります。

8-2. 製作所の選定基準

製作所選定では、取り扱い材料の種類や加工実績、品質管理体制、納期対応力が重要です。SUS304とSUS403の特性に熟知した技術力を持つ製作所を選ぶことで、最適な加工方法と製品品質を確保できます。特に熱処理や切削加工の経験は製品性能に直結します。


9. まとめと今後の考察

9-1. SUS304とSUS403の総まとめ

SUS304は高い耐食性と優れた成形性を持つため、腐食環境や衛生面が重要な分野に最適です。一方、SUS403は高硬度と耐摩耗性を活かし、機械的強度が求められる部品に適しています。用途に応じてそれぞれの長所を生かした使い分けが必要です。

9-2. 今後の選定基準について

環境負荷低減やコスト削減の観点から、材料選定はますます多様化しています。今後は耐食性だけでなく、加工性や耐摩耗性、リサイクル性を総合的に評価することが求められます。また、新素材や表面処理技術の進展も加味し、最新の情報を基に最適な材料選択を行うことが重要です。



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